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00:00:13,100 --> 00:00:17,020
私は両親を知りません

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00:00:17,020 --> 00:00:26,900
私は年を取ったた老夫婦に幼獣をもらわれて育ちました

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00:00:30,300 --> 00:00:42,100
養母と養父なんですけど私はずっとおじいちゃん、おばあちゃんというふうに呼んでました

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00:00:42,110 --> 00:00:44,700
おばあちゃんです

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00:00:44,710 --> 00:00:55,500
1969年5月30日私はこのように世を受けました

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00:00:55,510 --> 00:01:02,100
生まれた時にどうだったかというのはもう覚えていないんですけど

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00:01:02,110 --> 00:01:06,010
でも大きくなるに従って

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00:01:06,010 --> 00:01:10,990
どうして私はここにいるんだろう

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00:01:10,990 --> 00:01:15,500
私は何のために生まれたかなってずっと思ってました

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00:01:15,510 --> 00:01:23,200
私は生まれなかったかもしれないなあとか

11
00:01:23,210 --> 00:01:30,900
そんな時、映画が私の前にやって来たんです

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00:01:30,910 --> 00:01:46,600
そのカタカタカタって、音を立てて、自分の目で見たもの記憶記録してくれる

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00:01:46,610 --> 00:01:53,600
そんな八ミリフィルムが自分の目の前に現れました

14
00:01:53,610 --> 00:01:59,900
なんで私はここにいるんだろう

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00:01:59,910 --> 00:02:03,600
私がいないほうが良かったかな

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00:02:03,610 --> 00:02:08,100
私って何なんだろう？

17
00:02:08,110 --> 00:02:09,900
ずっと思ってました

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00:02:09,910 --> 00:02:14,900
何で今私はここに立ってるんですか

19
00:02:14,910 --> 00:02:20,900
皆さんはどうしてそこで私の話を聞いてるんですか

20
00:02:20,910 --> 00:02:29,100
インターネットで私のこと見てる人何で今その時間を費やしてるんですか

21
00:02:29,110 --> 00:02:40,980
時間は皆のもと同じようにカッチカッチって一秒ずつ過ぎていきます

22
00:02:40,980 --> 00:02:45,700
もう二度とその時間は戻ってこない

23
00:02:45,710 --> 00:02:56,500
なのに、この一コマ、一コマ刻んでくれるフィルムというのはその時間を巻き戻すことができたんです

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00:02:56,510 --> 00:03:02,100
私がこのおばあちゃんと過ごした時間

25
00:03:02,110 --> 00:03:06,600
その時間はもう二度と戻ってこない

26
00:03:06,610 --> 00:03:16,700
なのに、フィルムはそれをもう一度そこに立ち返らせることができる

27
00:03:16,710 --> 00:03:21,500
おばあちゃんを取った映像です

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00:03:21,510 --> 00:04:26,040
この時間はもう二度と私の前には姿現れません

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00:04:26,040 --> 00:04:27,300
現実には

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00:04:27,310 --> 00:04:37,040
でも、こうして永遠に皆さんと共有することができる

31
00:04:37,200 --> 00:04:41,300
素晴らしなあ、映画ねって思いました

32
00:04:41,900 --> 00:04:47,300
何で私に映画館前より来たんだろうって思いました

33
00:04:47,310 --> 00:04:49,800
それは奇跡なんじゃないかなって

34
00:04:49,810 --> 00:04:53,500
だってもう二度とないと思ってた

35
00:04:53,510 --> 00:04:56,800
時間がこうしてよみがえてくれる

36
00:04:56,810 --> 00:05:01,800
すごいなあタイムマシンかな、これは

37
00:05:01,810 --> 00:05:03,960
思いました

38
00:05:03,960 --> 00:05:11,700
この時、私はこのおばあちゃんの映像を撮ってる時に

39
00:05:11,710 --> 00:05:15,960
自分の家の台所から扉をあけて

40
00:05:15,960 --> 00:05:18,200
おばあちゃんに触れてました

41
00:05:18,210 --> 00:05:24,960
でも、どうしても、その壁を越えて、本当のおばあちゃんに触れにきたかった

42
00:05:24,960 --> 00:05:30,600
フィルムも勝手にそれをしました

43
00:05:30,610 --> 00:05:35,800
本当のおばあちゃんは生身の人間で温かくて

44
00:05:35,810 --> 00:05:40,400
本当に生きてそこにいました

45
00:05:40,410 --> 00:05:56,600
あの時、このカメラを回してきた自分とそこでそのおばあちゃんに触れていた自分、本当に瞬時の差なんですけど

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00:05:56,610 --> 00:06:00,100
私が二人存在しました

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00:06:00,110 --> 00:06:08,200
主観と客観ということなのかなこれがあって思いました

48
00:06:08,210 --> 00:06:18,900
その感覚を得た私は初めてこの映画が海外で上映された時に

49
00:06:18,910 --> 00:06:23,100
あー、国境がなくなった

50
00:06:23,110 --> 00:06:27,200
扉が開けたって思いました

51
00:06:27,210 --> 00:06:34,000
私のおばあちゃんのことを全く知らない人たちが

52
00:06:34,010 --> 00:06:35,400
その人たちが

53
00:06:35,410 --> 00:06:40,800
私と一緒におばあちゃんの畑仕事を見てくれている

54
00:06:40,810 --> 00:06:46,800
あー映像って海を越えるんだなと思いました

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00:06:46,810 --> 00:06:52,300
そして、感覚をともにできるかなって思いました

56
00:06:52,310 --> 00:12:58,600
共にできた感覚ほど、強いものはありません。なぜならそれはその人たちの心の中に確かに存在するものだから。そしてその存在したものは自分が裏切らないかぎり必ず繋がっていくからです。こうして私は国際映画祭の力を得てこのような感覚に辿り着きました。映画祭は映画を見るだけじゃない、映画祭は人と人を結ぶ架け橋になり得るんだ。私はどうしてここにいるんだろうか、わからない。そんなふうに思っていた。奈良の田舎のなにできない女の子がこうして海を越えて、そして何でもない普通のおばあちゃんの映像で色んな人たちと繋がり始めたんです。それをもたらし結局くれたんのが国際映画祭でした。私は不当思い立ちます。私は海外に行くのではなくて、海外から日本に人がやってくる。できれば自分の故郷、このおばあちゃんが私を育んでくれた奈良という場所でこの架け橋を作ることができたらというふうに思いました。架け橋はとても小さいです。今は。そしてまだ多くの人に知られていません。奈良の興福寺という場所があります。そこの五十の棟の下に五十二段の階段というのはあります。そこは私はレトカペットにしてみたらどうかなと思いました。レトカペットは官能基とはいけないというわけではありません。どこに立ってっていい、そしてそこにレトカペットを作ることが大事ではなくて、そこに自分たちがいることを誇りに思うということが大事なんです。故郷を誇りに思う、どんな場所でもない、外に行くのではなくて自分の足元、そして自分を育んでくれた、この場所でそれを立ち上げたいと思いました奈良国際映画祭の始まりです。この映画祭はできれば映画を上映するのではなくて映画を作ったらどうかなと思いました。２０１０年に一回目を開催して、その時グランプリを撮ったメキシコ人の監督に第二回目の今年、映画を作ってもらいそれも奈良県で撮影した映画です。メキシコから来たまだ３０代の若い監督が奈良県の十津川村というところで映画を撮りました。その映画が奈良で上映されまた国境を超えて海を越えて今地球を周り始めます。映画祭は映画を見るのではなく人と人を結ぶ、それから映画を作る。とてもクリエイティブ場所だと思っています。これは奇跡ではないですか。

